阿部和重「ピストルズ」を読んだ

ピストルズ

阿部和重による神町サーガ第二弾、だけど単に第一弾であるシンセミアの続編ということにとどまらず、ニッポニアニッポンやグランドフィナーレやミステリアスセッティング等の他の小説の設定もふんだんに盛り込まれている。物語ではあるけど物語というよりも今まで築きあげてきたひとつの世界観を遠巻きに眺めているような感じだった。途中から複数人による調査書方式になっていてそういう印象はいっそう強まっていた。実は巻頭のキャラ相関図が本編で文章は注釈なんじゃないかと思った。