渡辺玄英「破れた世界と啼くカナリア」を読む。

破れた世界と啼くカナリア

破れた世界と啼くカナリア

渡辺玄英氏の新作詩集。渡辺氏の詩は読みやすい。平易な日本語で書かれている。たまに括弧の独特な表現があるが問題なく読める。
しかしこの詩集に書かれている詩は今までの詩集に比べてとても読みにくいと思った。

なぜだろうかと不思議だった。
読みにくいけど何かが大きく変わっているわけではない。

読んだ感覚は今までとさほど変わっていないように思うのに、注意深く読んでいないと一体自分が何を読んでいるのか、そもそも何かを読んでいるのか、ということを見失いそうになる。

詩集には3.11以前に書かれた詩が多く収録されていて、3.11以降の詩は3編しかない。(書かれたのが3.11後であるかは定かではない)だから、そういうことが原因ではない。

誰かとこの詩集について語りたい・・・そういう気持ちになりました。

渡辺玄英氏の作品についてうまく言語化された評論に佐々木敦氏の「文学拡張マニュアル」があります。僕はここから入りました。

文学拡張マニュアル ゼロ年代を超えるためのブックガイド

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