「ゲーム的リアリズムの誕生」東浩紀

これは紹介しないといけないと思う。何日か前の日記で紹介した本が出版されたので、早速読みました。こういう本の発売日を心待ちにするなんて数年前の自分が見たら驚くだろうね。「動物化するポストモダン」の議論を引き受けつつ、ポストモダン化が進み、データベース化が進んだ2000年代中盤の日本を席巻するライトノベル美少女ゲームや文芸作品を読み解くためのディスクルの準備(第一章)とその実践的文芸批評(第二章)。
そんなに難しいことは書いていない。というか難しい内容も著者の東浩紀がとてもわかりやすく書いてくれていることが、読んでいるとすごくよく伝わる。この本の第二章で批評(というか読解)されている作品を事前にすべて読んでいたのでそれも良かった。少し無理してでもEver17もやった甲斐があったってもんです。
もちろんただの文芸批評じゃなくて、ポストモダン的で動物的な僕たちが生きていくために考えていくことのヒントが詰まっています。