「赤朽葉家の伝説」桜庭一樹

赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説

 作者はジュブナイル小説出身でキャラを立たせるのがとてもうまい(と僕は思う)。前作の「少女七竈と七人の可愛そうな大人」が面白かったので読んだ。SFともミステリとも読めるんだけど、基本的には、戦後日本の文化と世相を色濃く反映させたエピソードが折り重なるようにつづられる女の三代記。歴史に沿ってるという部分が、面白い反面、小説としては少し単調で、途中一度中断してしまったけど、中断してたらまた読みたくなって何とか読みきることができた。感想ををひとことで言うと「つかれた」なんだけど、決してつまらないって事じゃなくて、だからこそ投げ出せないで「つかれた」。