「寺山修司少女詩集」寺山修司

寺山修司少女詩集 (角川文庫)

寺山修司少女詩集 (角川文庫)

詩を読むのは高校の現代文以来(たぶん)だけど、なかなか面白い体験だった。多くの詩が五七調で書かれていて、いつもの調子で(小説を読む調子で)読んでいるつもりが、気づくとリズミカルに節をとって読んでいる。ただ文字を眼で追っているだけのはずが自動的にそうなっていて音楽は視覚からでも響くものなのかと新鮮に感じた。内容についてはあまり覚えていないけど(少女らしく「恋」とか「愛」とかについての詩が多かったと思うけど)、そういうある種普遍的と思えるようなモチーフを繰り返し書いていく(読者としては読んでいくということになる)なかで、ある種の高揚感みたいなものが生まれてそれが音楽的ななにかに結びついているようにも思った。