「インシテミル」米澤穂信

インシテミル

インシテミル

 まずひとつは、装丁がおもしろい。作者がどれくらいタッチしているかわからないけど、米澤穂信の本の装丁は魅力的なのが多い気がする。「さよなら妖精」の装丁は単行本も文庫もすばらしい。この「インシテミル」の装丁も西島大介のイラストと強い蛍光イエローのラインと黒い帯が書店でもかなり目を引いていて思わず手にとってしまう。名古屋の本屋はほとんど品切れで、栄(名古屋の繁華街)と名駅の大きな本屋を5軒くらい回って、最後に行った近鉄パッセの星野書店で二冊だけ残っていたのを何とか確保した。
 米澤穂信にしては異色の人がたくさん死ぬ物語。ミステリの教養があるかないかで印象はかなり違ってくるんだろうな。というか自分にその教養がないことをこれほど恨めしく思ったことはない。ただ、そんな知識はなくても普通に読んで面白いしキャラも魅力的だ。
 おそらく、この本を読んだひとの9割8分くらいの人は続編を期待するんではないかという終わり方。おいしいところはことごとくお預けを食らった感じ。

 完全に戯言だけど、この〈須和名祥子〉は僕の脳内では「天元突破グレンラガン」の〈ニア〉の容姿をしていた…