保坂和志「小説、世界の奏でる音楽」

小説、世界の奏でる音楽

保坂和志の新潮での連載をまとめた本の第3弾。
前の2作（「小説の自由」「小説の誕生」）、というより保坂和志の著作は全部僕にとって教科書みたいになってしまっている。一番初めに読んだのは阿部和重対談集に収録された対談で、それで「カンバセイションピース」を読みたいと思ったけど近所のブックオフにはちょうど「生きる歓び」しかなかったのでそれを買って読んだ。

はじめはこんなもんかと思った。

それからカンバセーション、プレーンソング、この人の閾と読んできてこのあたりですっかり虜になっていたと思うけど、決定的だったのは「季節の記憶」の冒頭の男の子の台詞だった。