「アラビアの夜の種族」古川日出男
- 作者: 古川日出男,片岡忠彦
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2006/07/22
- メディア: 文庫
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それで、読んでみればわかるんだけど、1000ページが長いのかというとそんなことはなくて、内容に対してみてみるとむしろ短いと感じる。普通の人が100歩で通過する道を、あえて回り道を探して、かつ10歩くらいで通過しようとするのが古川日出男という小説家だ。
この書物(この本にはこの言い方がよく似合う)のいったいどこに魅力を感じているのか説明しようとすると、実はよくわからない。メタ物語的な重層構造の面白さ(なんだあの注釈は!)?徹頭徹尾馬鹿っぽく書かれた登場人物?歴史ファンタジーとしての世界観?まぁ確かにどれも魅力的なんだけどそう言ってしまうと大切な何かが隠されてしまう感じがする。それがどういうものか、見切り発車でも感想を書けば見えてくるかなと思ったけど、結局まったく全然おぼろげにもわからない。