古川日出男「聖家族」を読んだ。

聖家族

聖家族

まず造本が見た目から重いし、実際重い。赤と緑の装丁がクリスマスを思わせたけど、発行は9月だった。移動中の電車の中が主な読書時間なのでこの重みは身体的な面でこたえた。とにかくいろいろと読者に負担を強いる小説で、あとがきの「流亡のメガノベル」という表現がぴったりだと思った。図書館で借りたので2週間で読みきらねばならないことがかなり精神的に辛かった。古川日出男の独特の語り口(描写というよりは)も冴え渡り、独特すぎて読みにくいのだけど、物語を語ることと、どう語るか、どう描写するか、ということの関係について考えずにはいられなくなる。